Manablick

オーストリアのビオワイン農家に嫁いだ元ピアノ講師、高田マナのブログ

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言語によって縛られるということ

      2019/03/01

高校の時、国語の先生に言われた言葉

「人間は言語というものに縛られるんだよ。」高校の国語の授業で、先生がこんな事を言った。当時私は英語すらろくすっぽ話せなかったから、使える言語は日本語だけだった。外国人の友達もほとんどいなかった。私にとって日本語は言ってみれば全てだったのだ。

何でだろう。先生の言った言葉がネガティブに聞こえたのだ。「人は言語によって縛られるのか?」なぜそんな事を言うんだろう。当時は良く理解出来なかったけど、ずっと気になってて今でも覚えている。

 

海外に住んでみて分かった事

その時から早10年以上。今ドイツのベルリン近郊に暮らしているのだが、外国人と接する様になって気付いた事がいくつかある。

  • 日本では当たり前の事が海外では全く当たり前ではない
  • 誰も日本人みたく空気なんか読まない
  • 外国語を話している自分と、日本語を話している自分は少し違う性格になる
  • 日本人以外の人と話すと新しい価値観に触れられる

ざっと挙げてみるとこんな感じだろうか。かなり当たり前の事なのだけれども、実際体験してみると「なるほど、こういう事か」と感動すら覚る。

私が初めて外国人だらけの場所に足を踏み入れたのは、こちらに住み始めてから通った語学学校だった。クラスメイトは20人程。ヨーロッパ各国は勿論、ニュージーランド、香港、アメリカ、モロッコ、イスラエルなど様々な国から集まった人達だった。彼らと共に授業を受けてまず感じたのは皆、自己主張が強いと言う事。私はどちらかと言うと引っ込み思案なのだが、なんとか彼らの輪の中に食い込もうと必死だった。今思うと必死になる場所を間違ってるとも思わなくもないが…..

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自己主張って何だろうと考えると、自分ってなんだろうと考えつく

授業中に何か意見を求められると、良い悪いはともかくとして大体みんなハッキリと意見を言う。私はそれがなかなか出来なかった。というか言いたいのだけれど、何を言って良いか分からないのだ。少しずつで良いから、自分の意見を言えるように努めた。

でも何を言って良いか分からないと気付いたときは、愕然とした。つまり私の頭の中は空っぽなのか?今まで何も考えずに生きて来たっていう事?

日本では女性は慎ましく、ガツガツものを言わずに一歩下がった所で静かにしているのが良い….みたいに思われている気がする。というか、何となく私はそう感じて来た。というのも私がそういう風に振舞ってきたのだ。自分の居場所を見つける為に。そう振舞う事によって自然と居場所が見つかったのだ。はっきり言ってそれは私にとって結構楽だったし、それで「まあ、感じの良いお嬢さんだこと」と言われたりもして、悪い気もしなかった。そうやってちょっとズルく、楽に生きて来てしまった。

しかし海外に出て来てしまった今、そんな楽で居心地の良い場所ば存在しないのだ。

でもそれで良い、良かったと思ってる。だって私はもっとガツガツ行きたいと渇望していたのだ。場所を変える事で、ようやく自分を変えるチャンスを得た。

 

色々な国の人と接してみて気付いた事

さて、海外で色々と苦労はしてるものの、一番面白いと思うのはやはり色んな国の人とコミュニケーションを取る事だ。ドイツ人はじめとして、外国人と話していると(ドイツでは私が外国人なのだけれども)「ヘー、そんな事日本では聞いた事無い」「へー、色々な人生を送ってる人がいるなあ。想像つかない…」など、何回も感嘆した。

様々な価値観を持ってる人達と話すと、自分の常識っていうのは、他の国の人から見ると全く常識でないという事がよくある。その逆も勿論。つまり自分の中の価値観が少しずつ変化するのだ。それがとても面白い。

外国に住み、そして外国語を勉強して初めて10年以上前に国語の先生が言った言葉が腑に落ちた。言葉って本当に大切だなあと、いま噛み締めている。

 

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 - ヨーロッパ, 人生, 人生観, 海外生活, 語学, 語学学校

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