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オーストリアのビオワイン農家に嫁いだ元ピアノ講師、高田マナのブログ

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ホイリゲって何だ?!〜オーストリア独自のワイン酒場「ホイリゲ」の色々を紹介

   

オーストリア独自の文化、ホイリゲ文化を紹介

 

日本では居酒屋やレストランなどのお店に入って飲み物を注文する時、「取りあえずビールで」と言う人が多いですよね。ビールよりはワイン、特にこだわったワインとなると敷居が高いし、お値段も高いイメージがあるのは私だけではないと思います。お値段は本当に高いですよね!しかし「取りあえずビールで」と同じように「取りあえず白ワイン一杯。(勿論オーダーする時は品種を言いますが)」と言えるのが、そして普通にみんなワインのお値段をさほど気にしなくても頼めちゃう、それがホイリゲです。

↑夏のホイリゲの様子。外の席でワインを楽しむ人が沢山。

ホイリゲの事を色々説明します!

ホイリゲとはオーストリア独自のワイン酒場の事を言います。オーストリア独自と言っても、ウィーンやニーダーエスターライヒ州などが中心です。同じドイツ語圏のドイツ人にホイリゲと言っても「何それ?」と言われる事もしばしば。本当にオーストリア独自の文化なのです。

ホイリゲってそもそもなんぞや

ホイリゲの歴史を調べると、1780年代まで遡ります。当時の王様ヨーゼフ二世が、自家製のワインを販売する事を許可した事がホイリゲの始まりだったようです。随分長い歴史ですね。

そしてホイリゲの意味ですが、ドイツ語だとHeurigerと書きます。heurigと言うドイツ語は「今年の」という意味があります。辞書などを見ても「Heuriger=本年産ワイン」とも書いてあります。なので日本でもワイン好きの方は「ホイリゲ=新酒」とお考えの方も多い様ですが、オーストリアで使われるホイリゲとは「ワイン酒場」の事を差します。つまりオーストリア人はホイリゲと聞くと「新酒」では無く「ワイン酒場」をイメージするのです。(少なくても私の住んでる辺りの人はね。)私もそのホイリゲを、オーストリア人の夫と、夫の両親と共に営んでおります。

私達のホイリゲ&ワイナリーのHPはこちら→http://www.plosweinbergstrasse.at/JA/

ホイリゲっていつも開いてないけれど、どの季節も開いてるよ

どういう事?かとお思いになるかもしれません。説明致します。ホイリゲは普通のレストランと違って年中開いてはいません。私どものホイリゲがあるSooss(ゾース)地区では「最大18日間オープンする事が出来るが、その後最低でも三週間お店をお休みする事」という決まりがあります。この決まりは地域によって多少異なるようですが、年中オープンしているホイリゲは基本ありません。(ウィーンの観光地などに「ホイリゲ風レストラン」などはありますが、私から見るとそれらはあくまで「ホイリゲ風」でしかありません)。オーストリアに旅行に来られてホイリゲに行きたいと思ってる方は、予め行きたいお店がいつ開いているかをチェックした方が良いかと思います。又は特にどのホイリゲが良いか分からない、と言う方はその時に開いてるお店に入ってみるのも面白いかと思います。Sooss地区は同じ通りにホイリゲが集中してあるので、ぶらぶら歩いていれば必ず何軒かのお店は開いています。Soossのホイリゲの情報はこちら!→http://www.sooss.at/ausgesteckt/

ホイリゲが開いてる目印の松の枝

何の事かと言うと、これです↓

近くで撮り過ぎてしまったので分かりにくいかもしれませんが、ホイリゲがオープンしている際はこの様に先端に松の枝が付いた棒が店先に出ています。オープンする時間はお店によるのですが、この様に電球に電気が付いていればお店がオープンしている目印です。この松の枝ですが、日本の酒蔵の杉玉に少し似ているな〜と、いつも思ってしまいます。地方によっては松の枝ではなく麦で出来たリースの様なものを棒に吊るしてある所もあります。ホイリゲに来られる際は、この松の枝が付いている棒を目印にして見て下さいね。

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ホイリゲってワイン以外に何があるの?

ホイリゲは通常ワイン農家が営んでいるので自家製ワインをお客さんに安価で提供出来るのです。お店によりますが、私達のような小さなホイリゲでも白ワイン5種類、赤ワイン5種類、ロゼ、デザートワインと、これくらいの種類があります。大きな規模のホイリゲに行けば勿論ワインの種類も、もっと豊富になります。

ワイン以外にもちろん食事もあります。昔はホイリゲとはあくまでワインが中心で、食事は簡単なパンやサラダなどだけだったようですが、近頃はレストランかと思うくらいに沢山の種類の食事を提供するホイリゲが増えています。ワインを飲むのを目的ではなく、食事をするのを目的に来るお客さんが増えてるとか。日本語のWikipediaのページにはホイリゲについて以下の様に書かれていますが、少なくても現在は当てはまらないと思います。↓

ワインの作り酒屋が自家製ワインを売る、というのが建前なのでビールなどはなく、料理も簡単な家庭料理をセルフ・サービス方式で頼むところが多い。ワインは主に白ワインで、ジョッキ型のグラスに入っている。肉の燻製、ピクルス、黒パン、ゆで卵、生のトマトなどが料理として出される。(Wikipedia)

う〜ん。昔はそうだったのかもしれないけれど、今は違うぞ!とつっこまずにはいられません。「ワインは主に白ワイン」で、って。いやいや、赤ワインもロゼもありますよ!!しかもグラスで出します!ジョッキで提供するのは、ワインをソーダ水で割ったSpritzer(シュプリッツァー)という飲み物だけです。ご飯だって、色んな種類があります。Wikipediaの情報は間違っておりますぞ。あまり多くはないですが、大きなホイリゲではビールを提供している所もある程です。私達はビールないですけどね。

ホイリゲ独自の注文の仕方

さてホイリゲには大きく分けて二種類あります。一つ目は飲み物も食べ物もメニューに書いてあって、ウェーター又はウェートレスに食べ物、飲み物全て注文出来るホイリゲ。この全て席で注文できるタイプのホイリゲは、ここ最近増えて来ては居る様ですが、食べ物を自分で注文しに行くタイプのホイリゲが半分以上です。因に私達のホイリゲも、この全て席で注文出来るタイプのホイリゲです。

二つ目はメニューには飲み物しか書いてなくて、ウィーター、ウェートレスに注文出来るのは飲み物のみで、食べ物はBuffet(ビュッフェ)に自分で注文しに行かなければならないタイプのホイリゲです。

ビュッフェと行っても、並べてある料理を自分で取るのでは無く、ショーケースに入っているサラダやハム、ローストポーク等々のご飯をお店の人に直接注文するのです。シュニッツェルなどの注文してから用意をする料理は、注文だけしてあとから席に持って来てもらいます。そして食べ物この場でお会計をします。飲み物はホイリゲを去る前に、ウェーター、ウェートレスに席で会計をしてもらいます。

このホイリゲの様子を、今年の夏ベルリンからお手伝いに来てくれたイラストレーターのKiKiさんがビデオにまとめてくれているので、是非ご覧下さい。因にビデオはホイリゲだけではなく、私達のワイン畑なども紹介して頂いております!(1:30辺りからホイリゲが出てきます。)

まとめ

如何だったでしょうか?独特な文化のホイリゲを、そこで働いてる立場の身として色々と紹介してみました。日本には無い、というかオーストリアにしかない文化なので、こちらに旅行に来る際は是非ホイリゲに立ち寄ってみて下さいね。

日本も、もっと気軽にワインを飲める環境があったら良いのに!と願わずにはいられません。安くて美味しい、自家製ワインと家庭的な料理を楽しめるホイリゲ、なかなか良いですよ!

 

 

 

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