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オーストリアのビオワイン農家に嫁いだ元ピアノ講師、高田マナのブログ

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私達の赤ワイン “Zweigelt” が賞を取りました!

      2019/03/13

私達の赤ワインが賞を取りました!

 

先日私達の「Zweigelt (ツヴァイゲルト)」という種類の赤ワインが賞を取りました!Zweigeltという種類は、オーストリアで最もメジャーな赤ワインの種類の一つです。どこのワイン生産地でも育てられているので、従ってこのワインを扱っているワイン農家はとても多いです。そんなメジャーなワインで賞を取れたのは、とても嬉しい事です。

さて、その賞の授賞式に先週、夫と二人行って参りました。会場はウィーン近くのワイン農家育成学校で行われました。このコンテストを主催している団体は Biosphärenpark Wienerwald  という環境保護団体です。

↓授賞式最後の写真。賞を取った全てのワイン農家達と市長さんなどの集合写真です。夫は左後ろ三番目。もうちょっと嬉しそうな顔すれば良いのに..(笑)


Biosphärenpark Wienerwald とはどんな団体なのか

ここでちょっと、このコンテトを主催している団体について説明します。

先程 Biosphärenpark Wienerwaldというのは環境保護団体と書きましたが、いわゆる普通の環境保護団体とは少し異なります。というのも、この団体はNGOなどではなく、ニーダーエスターライヒ州(Niederösterreich)とウィーンの、いわゆる公の機関なのです。なぜ公共の環境保護にまつわる機関があるのかというと、ウィーンからニーダーエスターライヒ州に股がるウィーンの森(ドイツ語で Wienerwald)は2005年にユネスコの生物圏保護区に指定されています。ユネスコに登録された保護区というのは、公的に責任を持って手入れをしなくてはいけません。その保護区を手入れする義務、そしてその保護区の意義を市民や観光客に知らせる意義を持った団体が Biospärenpark Wienerwald なのです。この団体のホームページを見ると、ウィーンの森の情報などの他にも、様々な催し物も開催されています。中には子ども向けの自然教室などもあり、これは次世代に自然の大切さを伝えるための活動の一部なんですね。

ドイツ語、英語版しかありませんが、興味がある方は是非ホームページをご覧下さい。授賞式の様子もホームページに紹介されています。

この団体が13年前から毎年行っているワインコンペティション

前置きが長くなってしまいましたが、この団体が行っている様々な活動の一つに13年程前から行っているワインのコンテストがあります。コンテストに参加する条件は、ビオワインを作っている事です。私達のワインは全ての種類がビオワインなので、参加対象になる訳です。実は夫は昨年、白ワインの「Pinot blanc」でも賞を取っております。今年は赤ワインの賞を取ったので、赤、白両方の賞を取った事になりました。

このワインコンペティションは、赤ワインと白ワインというカテゴリーだけでなく、赤ワインの中でも様々な種類別のカテゴリーがあります。私達のZweigeltは” Rotwein schwer ohne Holz Sortenvoelfalt’‘(赤ワイン、濃厚で*バリックの樽を使っていないワイン)というカテゴリーでの一位の賞でした。

*バリックとはワインを熟成させる為に使われる、オークの木で出来た木樽の事。バリックは新しい木樽であるが上に、ワインに樽の香りが加わる為に独特の風味が出る。

下のリンクから、私達のワイナリーの受賞情報が見られます(ドイツ語です) → https://www.bpww.at/de/artikel/der-wein-2018-nachhaltige-weine-ausgezeichnet 

授賞式の日には、試飲会も行われたので、その際にゲストに自分たちのワイナリーを紹介する為のチラシ。Biosphärenpark Wienarwaldが作ってくれました

因に同じカテゴリーの二位も私達のワインでした

同じカテゴリーの赤ワインの二位は私達のCabernet Sauvignon(カベルネ ソーヴィニヨン)でした。これは担当者が授賞式当日に教えてくれたので分かりました。二位だと特に何もないので…どこにも書いておりません(涙)しかし、このカテゴリーのワインが得意だという事が分かって、夫にとっては良かった様です。

賞を取って、そして今後の課題

何の仕事でもそうでしょうが、ワイン作りも出来上がるまでは中々地味な仕事です。なので、こして公に賞を取ると言う事はその努力を認められた事だと私は思っています。当の夫は「まあ賞を取っても何かが急変するわけじゃないしね。」と、あくまで冷静で、黙々とワイン作りに励んでいます。

私達のワインセラー&ホイリゲがあるゾース(Sooß)には20数件程ホイリゲがあり、各自自分達でワインを作っております。夫以外のワイン農家は、代々ワイン農家とホイリゲを営んで来ていますが、夫だけは十年程前にワイン作りを始めました。自分の代からワインを作り始め、更にはホイリゲも始めたのは異例だった様です。始めはみんなに白い目で見られたとか…今は他のワイン農家の人達も夫の努力を認め、アドバイスし合ったり、お互いのホイリゲを行き来したりして、良い関係を保ち、お互いに助け合っています。

話が少しずれましたが、夫にとってこの十年はワイン作りの技術や農機具などの確保、そしてホイリゲを開けるに当っての下準備等々で精一杯だったようです。(私はまだここに住んで一年足らずなので、夫と夫の家族から聞きました)

まだまだワイン作りやホイリゲについてもこれから考えて行かなければならない事は沢山ありますが、昨年に続いて今年もワインの賞を取った事は一つの節目と言っても良いのじゃないかと私は思います。これからも小規模で手作りのビオワインを作りつつ、少しずつホイリゲ以外のお客さんにもワインを飲んでもらう機会を作って行きたい、というのが私の願いです。

知や友人から聞いた話によりますと、日本でもオーストリアワインの知名度は少しづつ上がって来ているとは言え、まだまだ入手が困難な様です。ああ、日本のワイン好きの人に私達のワインを飲んでもらいたい!といつも私は思っています。ワイン好きの方で、ウィーン付近まで旅行に来る方がいらっしゃったら是非私達のワインを飲みに来て下さいね!

これからはワイン畑の仕事もぐっと減ります。あとは枝を剪定するのが大きな仕事です。昨日降った雪で、ワイン畑はまだ少し雪化粧をしています。来年も豊作になりますように。そして私達のワインが少しでも多くの人に飲んでもらえます様にと、静かな雪化粧をしたワイン畑を見ながら願っています。

↑私達の白、赤、ロゼワイン

 

 

 

 

 

 

 - オーストリア, オーストリアワイン, ビオワイン, ホイリゲ, ワイン, 海外生活, 環境保護, 自然

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