ベルリンの自然と音楽
2014/10/29
自然の多さ
ベルリンに来て気づいた事の一つに、緑が多いという事があります。公園が多く、街路樹の数も多い。日本の樹々と違って剪定をあまりされていない為、自然のまま大きく育っているのです。幹の太さを見ただけでは樹齢がどれくらいかは分かりませんが、古い木である事は容易に想像がつきます。じっと同じ場所から、長い年月の間色々な時代を見て来たのでしょう。ここがドイツの首都であることを忘れるくらい、どこに行っても樹々が、自然がたくさんあるのです。
樹々の音
私の寝起している部屋の窓からは、とても大きなカエデの木が見え、その木の葉達は風が吹くとサラサラと、時にはざわざわと音を立てるのです。その音は、フランツ・リストの曲「森のざわめき」(英題 Forest Mumurds)を思い起こさせました。この曲はピアノ独奏曲なのですが、出だしの部分などまるで、森のざわめいてる様に聞こえるのです。私はこの曲自体も美しいけど、題名に(特に英題の方に)昔から惹かれています。古い樹々が残っているヨーロッパの地で、樹々の音を聞くと、もしかしたらリストもこの様な音を聞いていたのかもしれないと思ってしまうのです。その様思うと、不思議と昔の時代を身近に感じられます。
古いものを大事にしている
この地でクラシック音楽が人々に親しまれている理由は様々あるでしょう。素晴らしい演奏家が集まってくる、というのは勿論です。しかしそれだけでなく、古い時代の建物や自然が残っているこの街が、クラシック音楽も自然と人々に受け入れられる空気を作り出している気がしてならないのです。そして音楽だけでなく歴史あるものが町中にある、残されているという事は、この町の人々がそれを大事にしているのだと思います。
目まぐるしい早さで新しいものが次から次へと出てくる日本から来ると、よりその様に感じるのかもしれません。樹々の成長のように長い時間をかけ、培われた歴史がある街にいると、時間の流れも空気の流れも、穏やかに感じるのでした。
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