Jazz Fest Berlin

10月30日から4日間に渡って、ベルリンでは’’Jazz Fest Berlin’’というイベントを行っていました。そのプログラムの一つに行ってきました。

Jazz Fest Berlinというイベント

Jazz Fest Berlinなかなか歴史のある音楽イベントで、丁度今年は節目の50周年でした。このイベントの事は知らなかったのですが、街のあちこちにポスターが貼ってあり、それにより知りました。

どういうプログラムがあるかはポスターには書いてありませんでしたが、何かを聞きに行きたいと思い公演内容を調べてみる事に。すると直前だったので仕方ないのですが、幾つかの公演のチケットは既に完売。残っている公演から時間や場所など丁度良さそうだった11月1日の公演を聴きに行く事にしました。

芸術アカデミーで行われる公演に行く事に

このJazz Fest Berlinは、１つの会場でいくつもの公演を行うのではなく、いくつもの場所で1日に3~４公演程を行っている様です。私が行った会場は「芸術アカデミー」（Akademie der Künste）という場所。最寄りの地下鉄Hansaplatz駅を降りると、とても静かで自然が多い印象。こんな場所にホールがあるのかと少し不安になりつつ並木道を5分程歩くと、樹々の間からホールらしき建物が見えてきました。

Die Engel（The Angels）というショートオペラ

今回聞きにいったプログラムは、”Die Engel”（The Angels)というショートオペラ。詳しいプログラムはこちらから。Jochen Berg(ヨッヘンベルグ）とUlrich Gumpert(ウルリッヒ グンペルト）という2人によって作られた作品です。オペラと言っても一般的なオペラとは全く違い、語り劇と言えば良いのでしょうか、音楽に合わせて歌い手が物語を進行させて行くという様な珍しいスタイルでした。今回の演奏者は、ピアノトリオに歌手4人（男性1人、女性3人）、アルトサックス2人、トランペット１人、トローンボーン1人という編成でした。この作品はあまり有名でない上に、パンフレットの開設は全てドイツ語だったので、始まるまでどんな作品なのか全く想像出来ませんでした。この分からなさがむしろ面白いと思いました。これから耳にする音楽は、全く始めて聞くもの、つまり新しいものを体感出来るからです。

やはりこの街には音楽の多様性がある

演奏を聞いての感想は一言で言うとならば、なかなか難解な音楽であると思いました。どう考えても分かりやすく、楽しい音楽ではありませんでした。しかしオリジナル性にである事に対して芸術の幅の広さを感じ、その面で感動しました。アメリカで生まれたJazzを取り入れたとはいえ、これはドイツでしか生まれ得なかった作品であるのです。

先日行ったベルリンフィルのランチコンサートでも思いましたが、ベルリンには自分のスタイルを貫こうとしている芸術が多く存在する印象を受けました。他人と比べてどれだけ上手に演奏するか、どれだけ間違いなく演奏出来るか、という様な音楽というよりは「競争」に重きを置いてしまう音楽家は多く存在すると思うのですが（実際そのような場に自分がいた事もあり）そんな事よりも、表現したいものを表現できる、それを追求する。そのような様々な芸術が沢山あるという事はとても面白い事だと実感しました。

Akademie der Künste