Manablick

オーストリアのビオワイン農家に嫁いだ元ピアノ講師、高田マナのブログ

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園芸のAusbildungをしてます!ーどのようにしてAzubiになったのか②

   

私がAzubiになるまで②

 

前回のブログでは面接に行ける事になった時点までの事を書きました。今回は面接がどのようなものだったか書こうと思います。

私のAusbildungの面接

①面接の準備

面接に行く事が決まって大喜びだったのですが、すぐに大変な事実に気がつきました。それは面接の準備を何もしていなかったという事です。それまで履歴書作成と履歴書発送に集中してしまい、面接の準備まで頭が回っていなかったのです。

すぐさま*アウスビドゥングの面接では一般的に何が聞かれるのか、という事をネットで調べました。調べた結果「何故この会社で働きたいと思ったか」「自分の長所と短所」などが良く聞かれるとの事。ちょっと変わった質問だと感じたのは「あなたの友人はあなたをどのような人だと描写するか」などといったものでした。内容的には格別難しくありませんが、問題はドイツ語で話さなければならない言う事でした。まるでドイツ語の試験に臨むような気持ちで、新しい単語を頭に詰め込みました。

*アウスビドゥングの面接: ドイツ語では Ausbildung Vorstellungsgesprochen

②面接当日:会社に辿り着くまで

さて面接当日ですが、その日が会社に実際足を運ぶのが初めてでもあったので、果たしてちゃんと辿り着けるだろうか?という心配がより緊張を高めました。なんとか最寄りのバス停に辿り着き、そして思った事は「なんて長閑な所なんだろう」という事でした。辺り一面、牧場、麦畑、そして森、森、森……面接の緊張を忘れさせられる程、そんな自然に圧倒させられました。長閑な景色に感動しつつバス停から歩く事30分程で、約束の時間に遅れる事も無く、無事に会社に辿り着く事が出来ました。

③面接当日: いよいよ面接本番

なんとか無事に辿り着いたものの、どこに行ったら良いのか分からなかったので、外で掃き掃除をしてた若い従業員に「Asubildungの面接に来た者なのですが…..」と聞くと「…え?君が面接?! 」と、とても驚かれてしまいました。そりゃ、急にアジア人が面接に来たら驚くだろうなあと思いつつ… 何がともあれ、彼に事務所まで案内してもらい、そこで面接の担当者(後に社長だったと判明)に会う事が出来ました。

私が非常に心配してたのは「君は思っていたよりドイツ語力が酷いじゃないか!これじゃ使いものにならん。帰ってくれ」と言われるのでは無いかという事。しかしまず聞かれた事は

「君は日本ではピアノ講師だったそうではないか。何故急に園芸をしようとおもったんだね?」

と言う質問でした。これに対して私は、履歴書に書いた通りの事を答えました。

「ドイツに来て、美しい自然に囲まれて生活して行くうちに、私は自然が本当に好きだという事に気がつきました。そして音楽よりも自然、植物に関する仕事をしたいと思う様になったのです。」

たしかこんな事を言ったと思います。多分こんなちゃんとした文章にはなっていなかったでしょうけれども。

その他にも「なぜうちで働きたいと思ったのか」「他の会社に既に面接に行った事はあるのか」「働く事になったらベルリンから通うのか、それとも引っ越すのか」等々を聞かれました。私の極度の緊張とは反対に、担当者の方は終始朗らかに対応してくれました。

一通り質問を受けた後、担当者の方は仕事場を案内してくれました。園芸センターなので、まずお客さん様の売り場を通り抜け、そして従業員達が働く温室へ。そこで従業員達が、その担当者に礼儀正しく挨拶をしているのを見て、「この人は会社のホームページにも顔が出ているし、この従業員の対応からして、彼が社長なんだ!」という事にやっと気がつきました。

面接を受けた日は6月上旬だったので、どの温室にも沢山の花々が溢れていました。そしてく温室の多い事、広い事。そして外にでると数えきれない程のバラが咲き乱れており、その規模に圧倒されてしまいました。

今働いて良いって言いましたよね?!

色々見せてくれるのは嬉しいけど、果たして私はここで働けるのか、それともやっぱりダメなのかが分かりませんでした。事務所に戻ってから、その事を質問しようと思うと社長が突然、

「で、いつから働けるのかね?」

と言ったのです。私はビックリしてしまし、ドイツ語がより上手く話せなくなってしまったのですが、なんとか私はここで働けるのか?と聞いてみました。

すると社長は、

「そうだ、君はここで働いて良い。しかし、まずAusildungを始める前に2週間、無償のインターンシップ(ドイツ語でPrakutikum)をする事が条件だ。」

と言われました。まさか働いて良いと言われると思っていなかった私は、とにかく嬉しく、嬉しさを通り越して驚いて、放心状態でした。

インターンシップを(Prakutikum)をする事になった

なぜインターンシップをしなければならないかというと、実際の仕事がどのようなものであるかを知ってもらう為のとの事でした。というのも実際の仕事はかなり力仕事も多く、また土などで汚れる事も多い、夏は暑い(冬は寒い)環境で働かなくてはならないので、思い描いている” 園芸家”のイメージと実際の仕事はかなり違うだろうと言われました。Ausbildungの契約をしてから「やっぱりキツいので無理です」と言われると会社側も困ってしまうので、まず2週間仕事の体験をし、それからAusbildungを本当にしたいかどうか決めてくれと言われました。

インターシップをする事が決まり、無事面接終了

出来る限りの準備をして面接に望もうと思っていたのですが、実際働いて良いと言われるとは思ってもいませんでした。ドイツの企業の面接に行けるだけでも良い経験だ!と思い望んだのですが、思いがけず良い返事がもらえる事になりました。

面接の日から2週間程後にインターシップをする約束をし、嬉しさのあまり放心状態のままベルリンに帰りました。面接の帰り道、この長閑な景色をもう一度見られるなんて、なんて嬉しい…(下の写真)と思った事を良く覚えています。

面接風景

面接の日に撮った写真。最寄りのバス停から会社に行く道中。遠くには沢山の馬の姿が..

まとめ

履歴書制作を始めてから面接まで、およそ一ヶ月ほどでしたが、改めて思い返してみると私は本当にラッキーでした。私は社長に拾ってもらったのだと思ってます。あの時履歴書を送っておいて本当に良かった….。あの時「どうせ無理だろうからこの会社には履歴書を送らなくていいや」と思っていたら今頃どうなってた事やら。いや、本当にどうせ無理って決めちゃう事ってもったいないですね。そんな事をAzubiになる過程で学びました。以外に長くなってしまって2回に分けましたが、私はAzubiになるまでの過程(インターシップについてはまだ書いてないですが)はこの様な感じでした!

 - Ausbildung, 園芸

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